vfontcap
で、wordのインストールが終ったら、vfontcapとkconfig.psを書き換えて、.wordfontrcをホームディレクトリにつくってお
しまいです。これで縦書き印刷が可能になります。vfontcapには、新たに縦書き用のエントリがくわえられます。
vfontcap.jptを/etc/vfontcap
に置き換えて下さい。wordを上記のrpmでインストールした場合は、/usr/doc/word-0.99.22/config以下にもあります。こ
のvfontcap.jptは、Vine Linux
2.5のデフォルトのvfontcapに縦書き用のエントリを単純に追加したものです。縦書き用のエントリは、明朝体とゴシック体のふたつです。
VFlib上の縦書き用のエントリは、明朝体kochi-mT、ゴシック体kochi-gTになっています。正常に機能しているかは、
ktest -f kochi-mT
ktest -f kochi-gT
としてみてください。これで、下の画像のように横になったフォントの一覧が見れるはずです。次のページは、スペース、前のページは、b、終了させるには、qです。
なお、ghostscript経由で
VFlibを使うと、まず、ホームディレクトリにあるvfontcapを参照します。つまり、ホームディレクトリにvfontcapが存在すると、
/etc/vfontcapの設定が反映されなくなります。逆に言えば、システムのvfontcapを書き換えず自分だけの設定を適用させることができる
わけですが、混乱の元になる可能性もあります。vfontcapを書き換えたのに設定が反映されないときは、ホームディレクトリに余計なvfontcap
がないか調べてみてください。
kconfig.ps
次に、VFlibが用意した縦書き用のフォントをghostscriptが利用できるように、kconfig.psを書き換えます。Vine Linux
2.5の場合、/usr/share/ghostscript/5.50/vflib/kconfig.psを
kconfig.ps.jptと
置き換えて下さい。上記のrpmでインストールした場合、kconfig.ps.jptもvfontcap.jpt同様、/usr/doc/word-
0.99.22/configにあります。このkconfig.ps.jptもVine Linux
2.5のデフォルトのkconfig.psに縦書き用のエントリ二つが単純に追加されているだけです。この二つのフォントのghostscript上での
名前も、VFlib上での名前と同様に明朝体はkochi-mT、ゴシック体はkochi-gTになっています。
.wordfontrc
最後にwordが使うフォントの設定ファイルです。
new-wordfontrcを$
HOME/.wordfontrcにコピーして下さい。wordをrpmでインストールした場合は、/etc/wordfontrcからコピーしても同じ
です。このwordfontrcは、漢字(日本語全角)が4種選択可能ですが、モニター上では、縦書きと横書きは同じフォントが使われます。違いは、
ghostscriptでpreviewしてみるとわかるはずです。ちなみにwordは、デフォルト14ptで起動しますが、14pt程度の大きさだと、
モニターの解像度によっては、明朝体とゴシック体の違いがあまりよくわからないときがあります。一種類のフォントしか表示されない!とあせらないようにし
ましょう。大きくすれば、すぐわかります。
これで、設定は終りです。縦書き印刷したいときは、wordの日本語フォントを明朝体-mTかゴシック体-gTにあわせ原稿を作成し、それをポストスクリ
プトに変換し(wordがやってくれます)、印刷します。とりあえず、適当になにか書いて、wordの印刷プレビューで見てみてください。縦書きになって
いたら、それでおしまいです。
まとめ
と、ここまで縦書き印刷について説明しておきながらですが、はたして、この縦書き印刷法にどれくらいの実用性があるのかは、ちょっと疑問です。なぜなら、
レイアウトに自由度がないからです。確かにこの方法で縦書き印刷は可能なのですが、印刷してできたものをそのまま使うのには、ちょっと無理があるでしょ
う。では、なにゆえ、そんな程度のもので私が満足していたかと言うと、そもそもレイアウトに関しては切り貼りで対応しようと考えていたからです。というわ
けなので、この方法による縦書き印刷では、ビジネスユースにはあきらかに力不足です。でも、まぁ、町内会で使う文書程度なら十分なんではないかと…。
そもそも、私が縦書き印刷にこだわったワケは、縦書きの文章、切り貼り…、です。わかる人にはわかる用途です。私と同じようにLinuxでこれをやろうとしてこのページにたどり着いた人がいたならば、これ以上の幸せはありません。
さて、Vine Linux
2.5のデフォルトの環境で縦書き印刷したいだけなら、ここまででも十分だと思うのですが、問題が二つあります。最初の問題は、wordの問題です。私
は、wordをワープロとしてたいへん気に入っていますが、一つだけ難点があります。それは、ASCII文字、半角文字が存在する文字の多くは、全角文字
として使えないことです。つまり、全角のAを打とうとしても半角のAになってしまうのです。困らないと言えば困らない、困ると言えば困る微妙な不具合で
す。ただし、word上ではうまくいきませんが、半角文字を全角文字に変えて印刷することは可能です。次に、この方法を紹介します。二つ目の問題は、フォ
ントの設定がデフォルトと異なっている場合、もしくはこれから新しくフォントを追加したい場合の設定ファイルの編集法についてです。これは、上記三つの
ファイルに加え、fonts.dirの書き換えなど、X全体にかかわる作業なので、ここですべてにふれるわけにはいきません。また、これらの作業をやった
ことのある人なら、自力で解決可能でしょう。というわけで、ここではvfontcapとkconfig.psについてのみ、簡単に取り上げます。
wordfontrcについては、原本にあたってください。この項は、多くの人には無関係だと思われるので、読まなくても支障はないはずです。
最後の二つは、一応、オマケ扱いなので、ここでひとまずまとめです。ここまで、かなり簡潔に説明してきましたが、はたしてわかりやすかったか、まったく
もって自信がありません。たとえば、wordのインストールの項では、rpmやmakeの説明などもすべきだったでしょうか…。wordの操作法について
もふれるべきだったでしょうか…。どの程度の説明が適切なのか、正直、判断しかねている現状です。ですので、わからない、わかりにくい部分などありました
ら、お教え下されば幸いです。基本的には、初心者にもわかりやすいものをと思っています。そして、できるだけ、TeXを…。
半角文字を全角文字にして印刷する
vfontcapとkconfig.psの設定について
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