karing.jp概要
1.はじめに
2.さまよえるISP
3.はばたけADSL
4.よみがえれFLORA
5.うつろひのDNS
6.たてRITA
7.おわりに
2002-07-07  
1.はじめに
karing.jpは、非営利目的、個人運営のドメインです。そもそも個人でサーバーをたてるなんてことにはなんのメリットもないわけで、じゃぁ、なんでそんなことするんだと聞かれれば、おもしろそうだからとしか答えようもなく、完全に趣味の世界というわけです。で、パソコン、コンピュータが趣味かと問われるとまた難しい話になるわけですが、自分では、パソコン、コンピュータは趣味だとは思っておりません。じゃぁ、なんなんだと言えば、ボクの趣味はジャンク遊びなのです。ボクは二年前までは、パソコンになどまったく興味はありませんでした。しかし、その頃から秋葉原のゴミたちの性能もしだいに向上し、十分に遊びに耐え得るレベルにまでなったのでした。こうなっては、しかたないでしょう。子供の頃つちかった、そして一度は死んでしまった、あのジャンク魂が甦ったのです。

70年代後期から80年代初期、街にはゴミになった真空管式のテレビがあふれていました。打ち捨てられ、雨ざらしになったそれらのゴミと遊んでいた幼き日の自分が思い出されます。さて、ひるがえって今、真空管の地位はどうでしょうか?かつてのゴミもいつのまにか貴重品です。いや、数自体が少ないのですから、貴重品であることに何ら思うところはないのですが、そこにまとわりついているスノビズムだけは許すことができません。それに比してパソコンの世界はどうでしょう。ボクは、IT文化、デジタル文化というものとは、正直、距離を置きたいと思うことがしばしばありますが、しかし、年代遅れのパソコンを徹底してゴミとして扱うその単純明快な文化にはとても好感がもてます。というわけで、ボクはジャンク者としてこの場所にたどり着いたということなのです。

技術的なことに関しては、上の階層のtechinfo.htmlでやっているので、ここではもっと別な側面からせまってみたいと思います。表題には概要と書いてしまいましたが、むしろ経緯と言った方がより正確だったかもしれません。お暇な方はどうぞお付き合い下さいませ。

2.さまよえるISP
さて、ボクがパソコンを買う気になったのは、パソコンがジャンクとして十分にこなれたことともうひとつ大きな理由がありました。それは、二年前、無料プロバイダが花盛りだったことです。これならばパソコンの一つの大きな目的、インターネットにつなぐことも簡単です。無料プロバイダのメリットは、もちろんタダということもありますが、ボクにとっては手続きが簡単であることも大きなメリットでした。何分、たかがジャンク遊び、小面倒な手続きで心を煩わせたくないというのが人情というものでしょう。

いくつかあった無料プロバイダを選択する条件は、OSに依存しないシステムであることとテレホーダイが使えることです。テレホーダイに登録できる電話番号は二つなので、最終的にauricとfreecomになりました。このうちauricがメインのプロバイダです。メールのアカウントをauricにとったからです。auricは、接続料は無料ですが、メールは年会費2,000円です。freecomは入会するとメールアドレスを無条件でくれるのですが、メールのアカウントはそういうものはあまり使いたくありません。別におかしな考え方ではありませんよね?

こうして始まったボクのインターネット生活、思えばステキな日々でした。あー、いろんなことがありましたねぇ…、ちょっと遠い目になってしまいます。しかし、二年前全盛だった無料プロバイダも受難の時を迎えました。櫛の歯が欠けるようにまたひとつ、またひとつとその姿を消していきます。大々的にサービスを開始したzeroもあっけなく倒れ、ボクもいつか来るであろうその日を思わずにはいられませんでした。そして、その日はやってきます。auricの無料接続サービスは、2001年10月をもって終了しました。11月より1,000円/月の有料サービスへ移行するとのことです。まだ、freecomはネバっているので、こちらにすべての重心を移してしまうという選択肢もないわけではなかったのですが、メールアドレスを人質にとられている以上、結局、auricのいいなりにならざるをえません。しかし、これで月の通信料はテレホーダイと合わせて、2,800円です。折しも、Yahoo! BBが、その遅延で社会の非難を一斉に浴びている頃でもあり、目の前にはADSLという選択肢もあったわけですが、当然、手続きが面倒なことはゴメンです。ちなみに、その後間もなくfreecomは回線業者をNTTから他のところに換えてしまったので、テレホーダイは使えなくなってしまいました。freecomにすべての重心を移してしまうという選択肢を選ばなかったことは正解だったようです。

なんとか落ち着きを取り戻したかのように見えたボクのインターネット環境でしたが、四月に入り、再び難題が持ち上がります。送られてきたメールによるとISPのサーバーを郊外に移転させるので、一時、03の回線が使えなくなるとのことです。さて、ボクはこのメールを受け取って一瞬でキれました。一時回線が使えなくなるのはしょうがないでしょう、そんなことでキれたりしません、ボクも大人です。では、なにゆえキれたかと言うと、その『一時』がどの程度なのかまったくふれられていなかったからです。三日なのか一週間なのか二週間なのか、それとも一ヵ月なのか、それによってこちらの対応はまったく異なります。通常ならどのくらいの期間なのかISP側に問い合わせればいいだけの話かもしれませんが、ボクの出した結論は『論外』です。そして、ここに新たなインターネット環境の構築が宣言されたのでした。

結局、この『一時』は一ヵ月ほどでした。なんと、「今日から回線が使えるようになりました。」と突然、メールが送られてきました。…今日からってアナタ、、、普通なら予定がわかったところで、こういう予定です、もうしばらくお待ち下さい、みたいな連絡が入るところでしょう。しかし、この人には予定とか計画といったような概念はないのでしょうか?まぁ、悪気はないのでしょうが、能力もないのでしょう。一応、auricの名誉のために付記しますが、接続サービスの有料化に際して、auricはその業務を他社(どういう関係にあるかまではわかりませんが…)に譲渡してしまったので、この不手際には無関係です。auricに関してボクは感謝しこそすれ、批判、非難するところはありません。初心者だったボクに多くのモノを与えてくれたauricよ、ありがとう、やすらかに眠りたまえ。

こうして、ボクのダイアルアップ時代は終りを告げました。しかし、テレホーダイとはなんと詩情あふるるサービスだったのでしょう。23:00から翌08:00、…限られた時間の中だけの自由、夢見がちな少女がシンデレラの舞踏会を思っても罪はないというものです。テレホーダイはひとつの文化でした。NTTが開発したサービスの中でもっとも優れたサービスだったとボクは主張したい。残念ながら『だった』と過去形なのは、昨今のADSLの普及によりコストパフォーマンスによるメリットは完全に吹き飛んでしまったからです。すでに多くのISPは、ダイアルアップ+テレホーダイという選択肢を過去のものとして扱っているようです。当然の結果だと思います。今ここに新たなプロバイダを選択しなければならないボクにとっても、もはやテレホーダイという選択肢は存在しないも同然でした。そしてボクは、この群雄割拠のADSL戦国時代、乱立するADSLの樹海へと歩を進めることとなるのです。

3.はばたけADSL
時は、卯月、エイプリルフールの余韻醒めやらぬ割引合戦、死して屍拾う者なし、今宵の月は…(意味不明)。とにもかくにも、四月から新生活が始まると言うことで各ADSL業者の熾烈な戦いはまさに佳境に入っておりました。まさか、こんな戦いのさ中に我が身を置くことになろうとはよもや思いませんでした。ホントはADSLに加入するにしても、まわりの熱が冷めてからゆっくりと加入すれば良いと思っていたのですが、人の世はなにかと思い通りにいかないものです。さて、しかし、そんな抜き差しならないADSL業界のしのぎ合いもボクにはあまり関係のないものでした。なぜなら、それらの割引合戦も結局は、加入後三ヵ月といったような限定したものであり、目先の数字で消費者をだまそうとでもしているかのようでもあり、なんら魅力を感じることができなかったからです。と言うことで、純粋にサービスの内容で決めるというきわめてまっとうな道を行くこととなりました。

大雑把に分けて、ADSL業者には、三つあります。ひとつはNTTのフレッツ、もうひとつはYahoo! BB、そしてその他です。とりあえず、良くない噂しか聞かないYahoo! BBは最初から選択肢にいれません。と言うか、例のごとく、なんか手続きがめんどくさそうに見えたのでした(ホントはそうでもなかったのですが…)。で、残る二つのどちらにするかですが、軍配はフレッツに上がります。その理由は、PPPoE、ひとえにグローバルIPです。その他のADSL業者のPPPoAではホストにグローバルIPがふられません。もっとも、PPPoAだってルータにはグローバルIPがふられるわけなので、それでなにか不都合があるかと言えばとくにないのですが、この構成だと、言わばルータが勝手にLANをつくることと同義であり、自分のところでそんな勝手なマネをされたんでは、いい気持ちはしません。

そこで、フレッツを選択するということになるわけですが、この決断は割高な決断です。他の選択肢に比べて、月に千円近くの差があります。この差では競争自体成立しないことだって考えられます。通常、フレッツADSLのユーザーは、他に選択肢がないためこの差を甘受しているのではないのでしょうか?この都会な渋谷区で、そんな割高な選択をせずともよさそうなものですが、こういうものには金を惜しむなとは死んだおばぁちゃんの遺言です(ウソ)。かくして、フレッツADSLに申し込む運びとなりました。プロバイダ経由で申し込むと割引特典がつくとのことだったので、プロバイダ経由で申し込みます。プロバイダはもちろん、フレッツならNTTの子会社ということでplalaです。聞くところによるとplalaは、回線に比してユーザーが多いらしく、あまり回線の質が良くないというウワサではありますが、もういいです、メンドクサイ…。

ADSL開通までの流れは、申し込みから最短で一週間後にNTTから電話があり、そこで回線の状況確認やらなにやらをすませた後、およそ十日ほどで開通するとのことでした。しかし、まてどくらせどNTTから電話はきません。申し込んだのは、4月19日。最短では、4月25日に連絡が入るはずでした。そして、5月になってもいまだ音沙汰無しです。間にゴールデンウィークがはいってしまったことが、NTTの最大の敗因になるのでしょうか…。さすがのボクもしびれを切らしてしまいました。そもそも、渋谷区でフレッツADSLを使おうなどと考えるバカはどの程度いるのでしょう?他の回線業者の処理が多くて、なかなか順番が回ってこないといったところなのでしょうが、NTTも自分のところの客を優先させるぐらいの商売っ気を見せてもよさそうなものです。まったく、殿様商売と言うか、融通の効かない官僚主義と言うか…。

5月になり再度、選択肢の練り直しです。今まさにゴールデンウィークの真っただ中、社会の事務処理能力は停止しています、計画を立て直すのには絶好でしょう。この時、僥倖と言うかなんと言うか、Yahoo!BBは、グローバルIPをふってくれるらしいという噂を小耳にはさみました。いろいろ調べてみると、どうやらボクの望む条件にもしっかりこたえてくれそうです。くわえて値段も割安です。これで、割高なNTTを選択する理由はなくなりました。最大の問題は決済手段なのですが、指定の銀行に口座をつくるか、クレジットカードで処理するかだそうです。実は、ADSL導入に際し、最初にぶつかった難題は決済手段でした。プロバイダっていうか、ネット上ってクレジットカードがないとにっちもさっちもいかなくなる時があるんですねぇ、勉強になりました。クレジットカードなんてそんなメンドクサイモノ持ってねーヨ!というわけで、指定の銀行に口座をつくることにしました。メンドクサイのですが、まぁ、クレジットカードよりはマシでしょう。この処理が終了したのは、5月17日だったのですが、書き留めが大家さんのところでしばらく寝ていたので、すべての書類が手元にそろったのは5月24日になってしまいました。あっ、ちなみにNTTから連絡が入ったのは、5月11日で、申し込んでからすでに三週間が過ぎていました。もちろん、丁重にお断りしたのは言うまでもありません。

そして、5月25日、とうとう申し込みました。長かったです。さぁ、Yahoo! BBの十営業日宣言はどうなるかと思いきや、あっけなく七営業日、6月5日に開通です。結局のところ、なにが大変だったかと言うとやはり決済手段につきてしまいます。最初のplalaでは、銀行振込の書類を重印だと突き返されるし、Yahoo!BBのときは、来るはずのモノが来なくてあせりました。他にも色々あるのですが、長くなるのでこのへんでやめておきます。

ADSLは時にバクチと言われます。つないでみないと実際、どの程度の速度が出るかわからないからです。うちの場合は下り2Mbps強、上り620kbps強で、Yahoo! BBが事前に推測した速度とほぼ同じでした。収容局からの線路距離長が2250mなので、こんなものなのだと思います。速くはありませんが、1.5Mbps以上は出ているので、とりあえずの面目は保っているのでしょう。しかし、線路距離長が2kmを越えるなんて…。うち、渋谷局と白金局のちょうど中間あたりにあるんですよねぇ、最悪…。それも、渋谷区なのに港区の白金局の管轄だし、直線距離では1500mないのにどこで寄り道してんだよぉー、まったく…。

4.よみがえれFLORA
ここに、とにもかくにもADSLは開通しました。次なる試練は、おうちLANの構築です。予定では、ADSLモデムとルータ兼サーバーをつなぎ、その内側にLANを構成するつもりです。サーバーは、グローバルIPで世界にさらされてしまいますが、かといって、ルータとサーバ、二台を同時に常時稼働させる気にはなれません。というわけで、おうちLAN構築の核心は、ルータ兼サーバーにあります。

まず、実験として、Pentium 133MHzのマシンをルータにしてつなげてみました。OSは、Vine Linux 2.5です。思った通り、なんの問題もないようです。これで、だいたいの構想はできあがりました。ルータ兼サーバーは、Pentium 100MHz、メモリ32MB、HDD 1GB程度のノートパソコンが理想です。予算は、5,000円。ちょっとキツメですが、ないわけではない値段です。まぁ、正直なところ、一万円ぐらいまではいいかなとは思っていましたが…。

秋葉原をくまなく散策し、探してみましたが、上記のスペックではやはり予算5,000円というのはなかなかきつそうです。5,000円前後のノートとなるとどうしてもメモリ16MB以下、HDDは800MB程度になってしまいます。これで、手を打ってもかまわないのですが、予定のOSであるVine Linux 2.5はメモリが32MBないと普通にインストールできないので、なんらかの小細工が必要になってしまいます。ADSLが開通したばかりの今、はやる心は面倒なことはしたくないと言っています。しょうがない、予算の幅をひろげるかと思った矢先、このHITACHI FLORA 3010CTがボクの前に現れたのでした。486DX4/75MHz、RAM 32MB、HDD 340MB、2,980円(税抜き、以下同じ)です。HDDが小さすぎるので交換するとして、1.4GBのHDDが1,680円、これで予算5,000円内におさまります。外観にも傷みらしいところはみうけられないし、Windows95もデモ起動しているので動作にも不安はありません。いい買物だと言ってもかまわないでしょう。もっとも、現在における486機そのものの価値について考えた場合どうなのかと問われたらちょっと答えかねるのですが、個人的にはラッキー!ってな気分でした。FLORA、それは花の女神。我がLAN、karing、花の輪を統括するサーバーとしてこれ以上の適役はありません。

さて、最初、ルータとしての実験はPentium機のみで行いましたが、486機でもやっておくんだったなぁとこの3010CTを目の前にして後悔してしまいました、悪いクセでメンドクサと思ってしまったのでした…。486機でも、まぁ、ダイジョブという話は聞きますが、不安がぬぐえないことは事実です。自分でやってみるのとそうでないのとでは話がまったく違います。転ばぬ先の杖、急がばまわれ、石橋は叩いて渡れ、…しかし、何度こういう後悔を繰り返しても、一向に改善されないのにはタメイキがでます。三っ子の魂、百までというやつでしょうか…。

ここで、486機の性能やいかにと気になるところですが、やはり巷間言われているようにルータ程度の使い方ではとくに問題はないようです。詳しい技術情報に関しては、techinfo.htmlを見てもらうとして、それ以外でひとつボクを悩ませたことがありました。インストールするには、とりあえず、フロッピーディスクからブートしなくてはなりません。ところが、フロッピーディスクからブートしないのです…。な、なっ、なにー!何枚も試してみましたが、やはりブートしません。安値の原因はこれだったのか…、一瞬、目の前が真っ暗になりましたが、いや、そんなことはないと思いなおします。ジャンク者の勘でしかありませんが、この3010CTに不具合があるとは思えないのです。

いろいろ調べてみた結果、Windows上からはAドライブはちゃんと認識され、読み書きにも問題はないようです。ひとまず、安心しました。では、なにゆえブートしない…?答えは簡単、メディアエラーでした。何枚も試したわけなのですが、そのすべてがメディアエラーでした。そういえば最近、フロッピーなんて全然使ってなかったのでいつのまにか劣化してしまったのでしょうか。なんか、持っているフロッピーの半分ぐらいが使えなくなってるんですけど…。ボクはまだパソコン歴がそう長くないので、経年劣化に対する感覚がわかりません。フロッピーってどれぐらいでダメになるものなのでしょうか?それとも、なにかボクの保存の仕方がまずかったのでしょうか?変なことはしていないつもりなのですが…。

何枚ものメディアエラーを乗り越え、このFLORA 3010CTもなんとかブートしました。一旦、ブートしてしまえば、あとはもうどうにでもなります。そして、rita.karing.jpは、こうして今まさに動いているわけです。

rita.karing.jpはグローバルIPに与えられたホストネームですが、LAN内のホストネームはazamiです。azamiというホストネームは、これまでは実験時に一時的に使うためのホストネームでした。ところが、3010CTが実験からシームレスに試験運用へと移行してしまったので、そのまま定着してしまったのです。というわけで、新しい実験用のホストネームを考えなくてはいけなくなりました。ホストネームの制限は、花の名前で和名であり、○○花という名前ではないことです。くわえて、実験用のホストネームは園芸用の花ではないものがいいなぁと思うのですが、こうなるとなかなかいい名前が思い浮かびません。こうしてみると実験用のホストネームに『azami』は、ぴったりだったなぁと思います。しかし、なんですね、パソコンの名前でこんな語ってしまうとは…、親バカの才能を感じずにはいられない…。

なんにせよ、HITATCH FLORA 3010CTは、今、まさに甦りました。老体に鞭打つようなボクの行為に批判的な人もいるでしょう。しかし、『生涯、これ現役』ってのも、またひとつの幸せだと思います。少なくともボクは、この3010CTがハード的に壊れない限り、このドメインを維持するつもりです。また、3010CTがハード的に壊れない限り、別な機種を導入する気もありません。はてさて、これでどこまでいけるでしょうか?心境としては、こいつと心中です。

5.うつろひのDNS
名前こそはアイデンティティの重要な一要素です。ということで、ちゃんとドメインをとりませう♪ドメインネームは汎用jp、さぁ、今までLANで使っていたドメインネームで登録だぁー、と思ったら、そうですか、すでに登録ずみですか…、花の輪ということで、flowerのfとxxxxという単語を組み合わせた英単語にも存在しない一般的とは言えない字面だと思うのですが、登録してる人は登録してるものですねぇ。いや、ちゃんとした会社がちゃんとサイトを立ち上げているようなので、なにも思うところはありませんが、もうこの名前はヘタに使えなくなってしまいましたね。まぁ、LAN内のドメインネームは汎用jp形式ではないので、完全に同じわけではないのですが、やっぱり何か気が引けます。とは言え、いまさら使い慣れたLAN内の名前を変えるのも面倒なので、このLAN内のドメインネームはできるだけ外に出さないようにするってことで、ヨロシク!ってところでしょうか。

ちなみに、なぜ汎用jpかと言えば…、そんなことは聞くまでもありません。ボクは日本人だからです。ニッポン、ニッポン…?、あっ、あれぇー、ワールドカップが終って…る!6月中はサーバー構築に専心していたので、全然気がつきませんでした、なんてこったい。

汎用jpは、お名前.comで取ってしまいました。複数の知人がそうしていたので、何も考えずにそうしてしまいました、おろかでした。だいたい、そんなことはちょっと調べればいいことなのに、つい、めんどくさがって何も調べないから後で後悔すんだよ、バカ。いったい、ボクはこういう失敗を何度繰り返せば気がすむのでしょうか。ホント、情けないです。ちょっとここで「お名前.comでドメインを取った」という記述に反応した人はいますか?前の方でボクは、クレジットカードなんて持ってないと書きましたが、お名前.comでの決済手段はクレジットカードだけです。そう、ボクは、事実上このためだけにクレジットカードをつくってしまったのでした。ほんのちょっと検索をかければ、お名前.comよりも安価で、かつ、クレジットカード以外の方法で決済できるレジストラはいくらでも見つけることができるというのに…。かつては野良犬ジョニーと呼ばれたこの俺がクレジットカードだなんて笑っちまうぜっ、ベイベェー。汚れちまったな…。

まぁ、この際すんだことは仕方がないでしょう。それよりなにより、依然、お名前.comには看過できない問題が存在します。それは、whoisです。お名前.comでは、公開連絡窓口に対し、なんのフィルターもかけてくれないのです。これでは、個人情報洩れっぱなしです。こんなのはだいたいサーバーのセキュリティ以前の問題です。汎用jpの趣旨から考えれば、なんらかの対策をとってもらいたいところです。とにかく早急に指定事業者をお名前.comから他の安全なところに変えねばなりません。そして、落ち着いた先は、my-domain.jpでした。my-domain.jpでは、公開連絡窓口をmy-domain.jpが代行してくれます。これだけでも一安心ですが、おまけにダイナミックDNSも無料で使わせてくれるそうです。レジストラがダイナミックDNSのサービスを提供するのは、とても自然で合理的に思えるのですが、こういうサービスを用意しているレジストラはあまり見かけません、なぜなのか、ちょっと不思議なくらいです。初年度、7,000円、以後、年6,000円は、ダイナミックDNSなどの利用料も含めて、適正価格だと思います。同じサービスをより安価に提供するところがあったとしても、ボクはそうそう乗り換える気はしません。仮に年に2,000円ぐらいの差があったとしても、その程度の差なら指定事業者変更の手間の方がはるかに大きく感じられます。もし、同じサービスを3,000円で提供するところがあったなら、そんなところには不安でまかせられません。と、まぁ、とりあえず、my-domain.jpをヨイショしときます。

こうして、DNSに関する問題は、一挙に解決しました。さぁ、my-domain.jpに行って、DNSの登録、その他の設定を済ませましょう。軽く設定し終えて、時間つぶしにYahooで将棋さしてたら、おっと、こんな時間だ。whoisって02:00ごろ更新されるんだったよなぁ。じゃぁ、もう更新されてるね。確かにwhoisでは、DNSサーバはお名前.comのものからmy-domain.jpのものへと変更されています。しかし、アレッ?まだ、nslookupでrita.karing.jpがひけません。な、なぜだぁー。なぜって、whoisとネットワークの実態とはタイムラグがあるからだよ。て、そんなことはそのとき知らなかったのであせってしまいました。とにかく、ダイナミックDNSの設定がまずいのかといろいろいじってしまいましたが、どうにもなりません。あたりまえだって。とにかく落ち着いてmy-domain.jpのDNSにつないで、nslookupで問い合わせてみると、さすがにこれならrita.karing.jpのIPをおしえてくれます。そりゃそうだ。どうやら設定自体に問題はないようです。こちらのDNSのログを見てみると、やはり依然お名前.comのDNSへ問い合わせているようでした。これで状況が把握できました。なんて思ってたら、どうやら時間が解決したようです。すべての設定が、とうとうインターネット上に反映したのです。インターネット上でその存在が認められた感動の瞬間です。

とにかくこれで、rita.karing.jpも一人前です。あとはもう少し、実験中に使っていた設定をrita.karing.jpに置き換えれば、そろそろ友人ぐらいには公開してもいいでしょう。いや、逆に友人に見せるのって恥ずかしいのかなぁ…、かと言って、いつまでも黙ってるわけにもいかないしなぁ…。うーん、どうしよう…?

6.たてRITA
結局、一人の友人に教えてみました。教えたと言っても、新しいメールアドレスが有効になったということとサーバーが24時間稼働してるよといった曖昧なコトしか教えなかったのですが、敵もバカではないようでさっそくwebサーバにアクセスしてきたようです。Nimda以外の初の訪問者です。ログのIPアドレスが218で始まっていたので、またNimdaかと思ったら(rita.karing.jpのIPアドレスは218で始まるので、Nimdaの発信元のIPアドレスも218で始まる)、ちゃんと存在するファイルにGETをだしてるじゃあーりませんか!まだ、検索では引っかからないし、このドメインを知っている人は、事実上、その友人一人なのですぐわかりました。ほどなくして「見たよ」とのメールが…。確かに『見た』ようですね、でも読んではいないようです。恥ずかしいから別に読まなくてもいいのですが、でも、間違いや不具合の発見のためには、やっぱりオトモダチに頼むしかないわけで、まぁ、暇があったら今度はちゃんと読んでみてね。

webサーバの初の訪問者は友人でしたが、サーバを動かしてると常時接続だろうがなかろうが、URLがあろうがなかろうが関係なく、ふいの訪問者は存在するものです。ダイアルアップのppp接続の時代にも、NimdaやCode Redはおかまいなしだったし、ftpも定番です。ダイアルアップのppp接続の環境でURLもないのに、よく探してくるものだといつも感心していました。というわけで、識者の方々には怒られそうですが、なにかおもしろかったので当時はポート、ガラ空きにしてました。さすがにtelnetなどは制限してましたが…。sambaももちろんガラ空き、publicスペースはゲストO.K.、書き込みもO.K.です。そしたら、ホントに書き込まれました。.elmの拡張子のついたなんかのウィルス含みのファイル…、といった感じのモノです。いったい、この広いインターネットの中で、なにを手がかりに探してくるのか、ご苦労なことです。めんどくさがりのボクにはとても理解できない世界ですねぇ。このように身をもってインターネットの危険を感じた経験から、rita.karing.jpには、それなりなセキュリティを用意したつもりです、まぁ、あくまでもそれなりですが…。

なんにせよ、rita.karing.jpの利用者もボク一人ではなくなったようです。有名サイトにしたいなどとはまったく思いませんが(そんなんになったら、486DX4、32MBが音を上げる)、他人様の迷惑にだけはならないようにしたいと思っております。

たてRITA…、実のところ、rita.karing.jpはナシクズシにその機能を付加していったので、生まれたばかりの子馬が立ち上がるような感動劇はそこにはありませんでした。それでも、今こうして他人様にサービスを提供するようになったかと思うとなにかちょっとした感慨をおぼえます。

7.おわりに
いやはや、なんとかここまでたどり着きました、膨大な時間と労力を費して…。自宅サーバーの無意味さが身にしみます。しかし、ここまでくれば、もう後にはひけません。さぁ、野良犬ジョニーの死にザマ、見せてやるゼッ!と髪をかきあげ、下手に退場。遠くに聞こえる銃声…。

しかし、いったい、この駄文につきあってくれた人はどの程度いるのでしょうか。そもそも、こういうものはおもしろいものでもないし、かと言って何かの役に立つというものでもなし…。まぁ、暇つぶしになればとその一点で書いてみたのですが、どうだったでしょうか。正直なところ、とにかくホームページの体裁を整えるためだけに書かれたとも言えるのですが、それなりの分量はあるので、まぁ体裁という側面からは合格点かな。

えーっ、あと気になることと言えば、パソコンに関する表現として、あまり擬人化しすぎないように気をつけたつもりなんですが、さて、どうだったでしょう?表現技法としての擬人法、パソコンを擬人化する心理、またはその文化…、いろんなハッタリが思いつきますが、それはボクの仕事ではないので、誰かにまかせます。重要なのはTBSでは深夜でもやっぱり乳首はダメということでしょうか。表現の自由、云々と一席ブちたいところですが、残念です、紙幅が尽きたようです。

紆余曲折の末、こうしてrita.karing.jpはインターネットの一員になりました。その貧弱なスペックにDoS攻撃の不安は消えませんが、武装することだけが安全を約束するわけでもなし、目立たず、出しゃばらず世渡り上手なサーバーがrita.karing.jpの当面の目標です。

 2002年7月7日 よしのぶ 

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